「食」はインバウンド消費のキラーコンテンツ

コラム

2016/10/31

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2016/10/31

「食」はインバウンド消費のキラーコンテンツ

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観光庁が発表した「訪日外国人の消費動向(2016年7-9月期)」のデータによれば、昨年同時期と比べ、買い物にかける金額は減り、宿泊と飲食にかける予算が増えています。「爆買い」と呼ばれる行動が落ち着きをみせ、インバウンド消費の流れがモノからコトへ移り始めている一端といえるでしょう。

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コト消費でいえば、「食」に関する分野はますます注目が集まると考えられます。和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて、世界的にも日本の食に人気が集まっています。和食と言えば寿司や魚料理といったイメージが外国人には強く、日本の代表的な魚市場である築地市場は、ぜひとも見ておきたい観光地のひとつとして連日訪日外国人旅行者でにぎわいを見せています。

食の体験は、旅の醍醐味

和食に限らず「日本食を食べること」は、訪日外国人旅行者にとって訪日前に最も期待していることのひとつ。日本滞在中にしたことの満足度を聞いてみると「日本食を食べること」の満足度は89.8%と、とても高い評価を得ています。
  
日本食のレストランは海外でも数多く展開していますが、日本食を知れば知るほど、やはり本場の日本で日本食を食べてみたいと思うもの。そして実際に日本に旅行した人たちが、自国に帰った際に本場の味を体験したと自慢するのでしょう。
  
これまでの訪日外国人旅行者の飲食店選びは、団体ツアーであれば宿泊先のホテルを中心とした範囲に限られていました。しかし、民泊やゲストハウスなどを利用する訪日旅行リピーターの個人旅行者(FIT)が増えてくると、周辺にホテルがないような街の飲食店にも外国人旅行者が訪れるようになります。
  
地元の常連さんばかりが通う食堂や居酒屋などは、初めての体験を求める訪日外国人旅行者にとって、とても興味深いスポットです。私たち日本人も何度か訪れたことのある旅行先で他に観光客がいなさそうなお店をついつい選んでしまいますから、このような気持ちはとても良くわかると思います。初めて訪れる土地で、その土地に根付いた食文化を体験することは旅の醍醐味です。
  
食の体験は、今後リピーターとなって再び日本を訪れるかどうかの決め手になりうる重要な要素と言えます。

国によって異なる食にまつわるルール

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では、訪日外国人旅行者に日本の食をより楽しんでもらうために、どうしたらよいのでしょうか? 
  
日本食に興味を持っていたとしても、信条や宗教上の理由で食べられないものがあるということを、まず認識しておくべきです。たとえば、ベジタリアンと一口に言っても様々なタイプがあり、鳥獣の肉、卵、魚介類やそれらの副生成物が含まれるものを口にしない人たちもいれば、肉・魚は食べないけれど乳製品や卵は食べる人たちもいます。イスラム教では豚肉を食べることを禁じていますし、その他の食品でも加工や調理に関して一定の作法(ハラール)を遵守したものに限られます。
  
このような食のルールについて、その全てに対応するのは難しいと思われます。であれば、お店で提供できることとできないことを整理し、それをわかりやすく訪日外国人旅行者に伝える情報提供が、最初にできる大切なアクションではないでしょうか。
  
お店のポスターやメニューにベジタリアンやハラール食の対応が可能かどうか書いてあれば、旅行者は安心してお店を訪れることができます。訪日外国人旅行者の出身地は様々ですから、そのような情報提供は英語だけでなく多言語での対応が必要です。
  
翻訳したメニュー表を言語の数だけ用意するのは大変ですから、訪日外国人旅行者向けのタブレット端末を用意するのが良いでしょう。MCCatalog+を使って翻訳したメニューをタブレット端末の中に入れておくと、外国語を話せなくとも指差しをしながらコミュニケーションをとることができます。

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