インバウンドの波が地方へと広がる2017年

コラム

2017/01/10

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2017/01/10

インバウンドの波が地方へと広がる2017年

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これまで訪日外国人旅行者の訪問先といえば、東京や大阪、京都などを巡るゴールデンルートが一般的でした。しかし、訪日外国人旅行者数が2,000万人を超えた現在、団体旅行やパッケージツアーに頼らない個人旅行者も増えています。
  
個人旅行者が増えていけば、「日本でしたいこと」も多様化していきます。モノ消費からコト消費への変化が予想されるインバウンド消費の流れを考えれば、2017年は新たな体験を求め地方の観光資源に注目が集まることでしょう。

整備が進む新たな広域観光ルート

地方への誘客を考える場合、その地域には他にどのような観光スポットがあり、訪日外国人旅行者がどのような観光コースを巡って訪れるのかを知る必要があります。
  
以前のコラムで、ゴールデンルート以外に中部・北陸地方を南北に縦断する「昇龍道(ドラゴンルート)」という観光コースをご紹介しました。政府は訪日外国人旅行者の地方への誘客を図るため、広域観光周遊ルートを認定し地域が推進する取り組みを支援していますが、「昇龍道(ドラゴンルート)」もそのひとつです。
  
複数の都道府県にまたがり、テーマ性・ストーリー性を持った一連の魅力ある観光地をつなげた広域観光周遊ルートは、現在11のルートが認定されています。
  
たとえば、東京から北上し、東北地方を縦断して、函館に抜ける「日本の奥の院・東北探訪ルート」は、東北の美しい自然と風土が育んだ歴史文化を探訪するコース。瀬戸内の自然や歴史、現代アートを堪能できる「せとうち・海の道」は、ゴールデンルートの延長線上にあり、関西国際空港や山陽新幹線へのアクセスが良いコース。「温泉アイランド九州」は、 全国一の温泉源泉数と湧出量を誇る温泉と古くから海外との窓口だった歴史が育んだ豊かな食文化を体験できる九州7県を巡るコースです。
  
このように国や自治体が中心となり、インバウンド誘客に向けて広域観光コースを設定している例は数多くあります。自分のエリアがどのようなコースに組み込まれているのか、また、外国人旅行者のなかでもどの国からの訪問者に向けてプロモーションを行っているのか知ることは、インバウンド施策を進めるうえでとても大事なことです。

「自然」と「食」がリピーターを増やす決め手

訪日外国人旅行者の最新の動向や、彼らを迎い入れるために自治体が行っている動き。それらを加味しながら、2017年は個人旅行者を地方へ招き入れていく流れが本格的にスタートする年となるでしょう。

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  • 政府は2020年までに訪日外国人旅行者4,000万人を目標としていますが、現在のホテル不足の状況が示すとおり、すでに東京・大阪・京都などの大都市圏だけでまかなえる規模ではありません。地方の国際空港や港なども活用しながら、新しい観光ルートを整備し、各都道府県に旅行者を分散させることが目標達成は不可欠です。

日本には季節があり、同じ場所を訪れても夏と冬ではその風景は異なり、そこで体験できるレジャーも変わります。季節が異なれば、その時に採れる食材も異なり、料理の内容も変わります。四季によって変化する「自然」と「食」。この2つは、訪日外国人旅行者がリピーターとなって再び日本を訪れるきっかけとなる大きな武器であり、地方はその宝庫です。
  
「一回行っただけではまだわからないから、また行ってみよう」。そう思ってもらうために、自然や食といった日本の魅力を積極的に発信していくことが重要です。当社のMCCatalog+であれば、既存の日本語パンフレットを低コストで多言語に翻訳できますので、こちらを使ってインバウンド向けの情報発信力をあげてみてはいかがでしょうか。

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