【専門家コラム Vol.15】変化する集客施策

コラム

2017/06/20

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2017/06/20

【専門家コラム Vol.15】変化する集客施策

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執筆:村山慶輔/株式会社やまとごころ 代表取締役

インバウンド施策も取捨選択へ

2020年のオリンピック・パラリンピック開催が決定したのが2013年9月。これを機に国内の民間企業も本腰を入れてインバウンドに取り組み始めました。その年、訪日外国人旅行者数は初めて1,000万人を越え、その後はとんとん拍子で増加。2015年に1,973万人を記録すると、政府は2016年3月に2020年の訪日外国人旅行者数の目標を2,000万人から4,000万人に倍増させました。そして昨年の訪日外国人旅行者数は2,400万人を突破したのです。

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当初、インバウンドに取り組んだ企業は手探り状態のなかで、予算があるところは、ありとあらゆる集客手法を試してみるというスタンスでした。しかし、上記のように訪日外国人旅行者が倍増するなかで、いまでは総花的になんでもやってみるから取捨選択へ、そのスタンスは大きく変化しています。

費用対効果が求められる時代

そうした流れでは当然といえば当然のことですが、集客周りのソリューションを提供する企業では、ソリューションを提供できるだけでは価値はなく、結果が出せるかをより求められるようになっています。中小企業や比較的小さな自治体では、集客施策の費用対効果の重要度がさらに増しています。
  
では、その費用対効果を担保するにはどうしたらいいのでしょうか。大事なのは次の3つのポイントを抑えることです。
  
ターゲットを絞り込む
接近戦
連携

ターゲットを絞り込む

集客施策といってもただ漫然と外国人客を狙うのと、ターゲットを絞るのとでは後者のほうが断然効果的です。みなさんの施設に実際に来てくれている観光客はどこの国の人たちでしょうか。彼らにヒアリング、あるいは周辺地域を訪れる観光客を調査などして、まずはどこの国の観光客を狙うのか絞り込みましょう。図のように2014年までは韓国人が訪日外国人旅行者のトップでしたが、2015年に中国人が逆転すると以降は驚異的な増加率となっています。また、最近ではタイ人も伸びています。

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ターゲットとする国が変わると、言語や人気のメディアが変わったりするので、集客に関わるコストや手間も間違いなく増えます。そのため、資金や人手が限られる場合、軌道に乗るまでは一点突破するくらいの気持ちが大切なのです。

接近戦と連携

次は接近戦です。前述したように、すぐそこにいる外国人観光客にアプローチすることが、高い費用効果の実現につながります。実は集客の施策のなかで意外な盲点となっているのがこれです。
  
集客のためにどんな媒体へ広告を出稿したらいいのか、どの旅行会社と組んだらいいか、などと質問されることがあります。しかし、そうした方たちの話を聞くと、目の前にいる、あるいは、近くに来ている外国人観光客を呼び込むための施策を考えていないケースが大半なのです。コストを抑えて取り込むなら、まずは接近戦から始めることをお勧めします。
  
最後は地域での連係です。1社や1つの地域でかけられる集客予算は限られています。1カ所だけで頑張っても、地域での連携がないと、継続していくことが難しくなります。また、外国人目線で考えると、1カ所だけを訪問したいわけではなく、もうすこし広域で回りたいというニーズもあります。
  
連携は、隣り合った市町村に限った話ではありません。現に、現地の旅行社などは、1社ごと、1地域ごとのアプローチではなく、広域で連携してモデルルートを提案してくれるとありがたいと言っています。その要望に応えるためにも、連携の可能性を探っていきたいものです。

  • 村山慶輔株式会社やまとごころ 代表取締役

    兵庫県神戸市生まれ。ウィスコンシン大学マディソン校卒。大学卒業後、インドで半年間のインターンシップを経て、2000~06年、アクセンチュア勤務。退社後インバウンド観光に特化したB to Bサイト「やまとごころ.jp」を立ち上げ、現在は企業・自治体向けに情報発信、教育・研修、コンサルティングなどを提供中。インバウンドビジネスの専門家として、国内外各種メディアへ出演の他、インバウンド関連諸団体の理事を多数兼任。6月16日に著書「インバウンドビジネス集客講座(翔泳社)」が発売されたばかり。

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