【専門家コラム Vol.29】インバウンド成功のカギを握るインターネット活用

コラム

2018/08/16

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2018/08/16

【専門家コラム Vol.29】インバウンド成功のカギを握るインターネット活用

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執筆:村山慶輔/株式会社やまとごころ 代表取締役

旅行中はインターネットが大事な情報源

今、このコラムをご覧になっているのはデスクのパソコンでしょうか。カフェでタブレットを利用しているかもしれないし、移動中のスマートフォン方もきっと多いでしょう。今では情報収集のあらゆる場面でインターネットのお世話になっていると言っても過言ではありません。その状況は、初めての土地を旅する旅行者ならなおさらのことではないでしょうか。
  
観光庁の訪日外国人動向調査では、実に69.9%の人がインターネット(スマートフォン)で得た旅行情報が役に立ったと答えています。もちろん、観光案内所や旅行ガイドブック、フリーペーパーなどアナログな手法での情報収集も利用されていますが、インターネットは圧倒的に利用者が多いことがお分かりいただけるでしょう。


  

自社サイトはホームベース

インターネットをインバウンドビジネスに導入する最大の利点は、世界中の旅行者に直にアプローチできることです。特に訪日客全体の8割近くまで増えた個人旅行者(FIT)はほぼ100%がインターネットを利用するので、これほど身近なメディアはないと言えそうです。インバウンドビジネスの施策には数多くありますが、インターネットには規模の大小や業種に合った多種多様な活用法があるため、あらゆるビジネスにお勧めできるのです。
  
とは言っても、数あるインターネットの利用法のうち、どこから手をつけたらいいかわからないという方も少なくないかもしれません。一番に取り掛かっていただきたいのは、自社サイトを持つことです。これがホームベースとして自分たちの顔になるからです。
  
SNS(フェイスブックやインスタグラム)やOTA(ブッキング・ドットコムやエクスペディアなどのオンライン旅行会社)、クチコミサイト(トリップアドバイザーなど)といった、インターネット上の他社サイトを戦略的に利用することも大事ですが、所詮は借りものだけに、いろいろと制限にぶつかることもあります。他社サイトを上手に利用しながら、最終的には自社サイトで情報を伝えることを目指しましょう。

目指すべきサイトの条件

自社サイトを作る上で押さえておきたいのは、次の4つの条件です。
①ひと目で何を提供しているのかがわかること
②スマホに対応していること
③サイト内でのアクションを意識すること
④外国人目線で制作すること
  
人間でも「第一印象」が大事ですが、ウェブサイトでも同じです。ファーストビューでどんな企業・団体・地域なのかを伝えなければいけません。シンプルかつインパクトのある写真と明確なキャッチフレーズで、パッと見ただけで「何を提供しているのかがわかること」。第一印象が悪いとユーザーはすぐに離脱してしまいます。
  
次に、前掲のグラフにもあるように、旅行中はスマートフォンで情報を見る人が大多数ですから、モバイルフレンドリーなサイトの構築は欠かせません(以前の私のコラム、「モバイルフレンドリーのすすめ」を参照してください)。世界的にもスマートフォン利用者がパソコン利用者を上回る状況になっています。パソコン用のページをスマホで閲覧してもらうことは可能ですが、文字が小さかったりしてとても見にくく、アクションにつながらなくなります。スマホ対応のサイトが必要です。


  

3つ目の、ユーザーにとってもらいたいアクションの基本は「閲覧」です。そこからさらに踏み込んで、「予約」「シェア」「購入」などの具体的なアクションにつなげていくことを意識してください。これを疎かにすると自社サイトを持つ目的が達成できなくなります。
  
4つ目の外国人目線は、特に意識しないと大変難しいものです。自分たちがアピールポイントと思っていることと、外国人が思っているそれが必ずしも一致しないことが多いからです。ターゲットの国の人に響かないサイトを作っては、自社サイトを持つ意味がありません。
  
外国人目線を知るには、直接外国人観光客にアンケートを取ったり、身近にいる在日外国人に協力を依頼してみましょう。そして、外国語で制作する際は必ずネイティブスピーカーのチェックを入れることを忘れないでください。先ほど、第一印象が大事だと書きましたが、翻訳の質が悪いと、そのページに留まってくれる率が非常に低くなってしまうからです。
  
以上、4つの条件を押さえれば、外国人旅行者に使いやすいサイトが作れるはずです。これから制作する方、すでにあるけれどリニューアルを考えている方、ぜひ参考になさってください。

  • 村山慶輔株式会社やまとごころ 代表取締役

    兵庫県神戸市生まれ。ウィスコンシン大学マディソン校卒。大学卒業後、インドで半年間のインターンシップを経て、2000~06年、アクセンチュア勤務。退社後インバウンド観光に特化したB to Bサイト「やまとごころ.jp」を立ち上げ、現在は企業・自治体向けに情報発信、教育・研修、コンサルティングなどを提供中。インバウンドビジネスの専門家として、国内外各種メディアへ出演の他、インバウンド関連諸団体の理事を多数兼任。著書に「インバウンドビジネス入門講座」「インバウンドビジネス集客講座」(いずれも翔泳社)がある。

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