【専門家コラム Vol.33】人気SNSの特徴を把握する

コラム

2018/12/15

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2018/12/15

【専門家コラム Vol.33】人気SNSの特徴を把握する

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執筆:村山慶輔/株式会社やまとごころ 代表取締役

4〜5年前まではSNSといえば、フェイスブックやツィッターが主流でした。ところがここ数年は写真投稿サイトのインスタグラムに勢いがあります。ファッションの流行ほどではなくとも、時代によって変化しやすいSNSですから、利用する場合はユーザー数のみならず、アクティブユーザー(利用者)数や月間PVなどにも注目し、ターゲットとする市場での利用状況などを定期的に調査するようにしましょう。

利用頻度の高いSNSは国・地域によって異なる

掲載した表は国・地域別のSNS利用を比較したものです。アクティブユーザー数で、フェイスブックとユーチューブが1位となっている国が多くなっています。また、中国では前述したフェイスブックやインスタグラム、ツィッターは使えません。それは海外からの情報を遮断するためにインターネット規制が厳しいからです。そのため、中国では中国版のフェイスブック&ツィッターと言われるウェイボー、メッセージアプリのウィーチャット、動画サービスであるQゾーンやヨウクが使われます。そのほかにも特にメッセージアプリは、国や地域によって特徴があります。


  

フェイスブック

それではまず、6カ国で1位になっているフェイスブックから見ていきましょう。月間アクティブユーザーは22億3000万人という世界最大級のSNSであるフェイスブックは、インバウンドの集客においても最も重要です。特に訪日客の多い台湾、香港、タイ、オーストラリアなどでは70%以上が利用していますし、近年訪日客が増加している東南アジアのマレーシア、フィリピンでも人気があります。いいね!・コメント・シェアで友だちと交流ができ、写真や動画などのコンテンツのアップロードや少額での広告掲載も可能です。

インスタグラム

「インスタ映え」が流行語になったように、特に若い世代で最も注目されているSNSです。月間アクティブユーザーは10億人。画像や短い(数十秒から数分程度の)動画を共有することで、言葉の必要のないコミュニケーションが可能なため、インバウンドとは高い親和性があります。画像は数よりも質を重視して、週に1回はアップするように。意外性のあるもの、季節感のあるもの、食べ物、文化・体験を表したものが好まれます。

ユーチューブ

動画投稿サイトと認識されていますが、実は立派なコミュニケーションツール。動画について、好き嫌いをつけたり、コメントを残したり、他のSNSでシェアしたりもできます。月間アクティブユーザーは15億人。インターネット環境の進化で、動画マーティングは急増しています。

こちらは、山形県のプロモーション動画「STAY YAMAGATA」。2017年に秋冬編8本、2018年に初夏編4本を公開し、1本で250万回を超える再生回数の動画もあるなど、人気を博しました。動画の効果とは一概に言えませんが、実際、宿泊者数も前年比30%増ぐらいで伸びています。

ウィーチャット

中国版のLINEと言われ、中国で最も使われているメッセージアプリ。月間アクティブユーザーは10億人を超え、銀行口座を登録して、キャッシュレスで支払いができるウィーチャット決済をする人が多いなど、生活インフラとなっています。

ウェイボー

ユーザー数はウィーチャットに及ばないものの、マスメディアを信用しない傾向にある=友人のクチコミを重要視する、中国人にとっての情報収集源として大きな存在。月間アクティブユーザーは4億4600万人。ユーザーは中国沿岸部に集中して、購買力が高く情報に敏感な層の利用が多いのが特徴です。

以上、駆け足で紹介しましたが、まずはターゲットの国・地域でよく使われているSNSを始めてみましょう。中国向けならウェイボー、それ以外でしたらフェイスブックやインスタグラムをお勧めします。一旦スタートすれば、効果を測定し、改善というサイクルもできますので、まずは始めることが肝心です。その際には、前回のコラム「SNSによる情報発信で大切なこと」も参照してください。

  • 村山慶輔株式会社やまとごころ 代表取締役

    兵庫県神戸市生まれ。ウィスコンシン大学マディソン校卒。大学卒業後、インドで半年間のインターンシップを経て、2000~06年、アクセンチュア勤務。退社後インバウンド観光に特化したB to Bサイト「やまとごころ.jp」を立ち上げ、現在は企業・自治体向けに情報発信、教育・研修、コンサルティングなどを提供中。インバウンドビジネスの専門家として、国内外各種メディアへ出演の他、インバウンド関連諸団体の理事を多数兼任。著書に「インバウンドビジネス入門講座」「インバウンドビジネス集客講座」(いずれも翔泳社)がある。

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