アクティブな訪日旅行を楽しむ民泊利用者の実態とは

コラム

2017/11/30

コラム

2017/11/30

アクティブな訪日旅行を楽しむ民泊利用者の実態とは

  • facebook
  • twitter

観光庁が2017年10月に発表した「訪日外国人消費動向(平成29年7-9月期)」のデータによると、直近四半期の訪日外国人旅行者数は744万人を記録。2017年1~9月までの合計で、2,120万人に達しました。昨年2016年の訪日外国人旅行者数は年間で2,404万人。このペースで進めば、2017年は年間で2,800万人を超えることが予想されます。
  
2020年には4,000万人を目標としている日本のインバウンド市場。旅行者数が増えていくにつれ、問題となるのが宿泊施設の不足。その解決方法のひとつとして民泊の利用に注目が集まっています。

2017年になって利用拡大している民泊利用

訪日外国人旅行者の宿泊施設利用動向(平成29年7-9月期)」の調査によれば、観光・レジャー目的で最も利用率の高い宿泊施設は「ホテル(洋室中心)」の78.1%でした。次いで、「旅館(和室中心)」の21.9%、3番目に利用率が高いのは「有償での住宅宿泊」、いわゆる”民泊”で14.9%の利用率です。「有償での住宅宿泊」の割合は年々増加していて、特に2017年に入ってからの伸びが顕著です。
  
「有償での住宅宿泊(観光・レジャー目的)」の利用率を国別にみると、「シンガポール(39.5%)」「フランス(35.9%)」「インドネシア(29.7%)」「オーストラリア(27.9%)」「カナダ(27.2%)」と続きます。訪日外国人旅行者数の上位を占める東アジアの国々はどうかといえば、「中国(14.3%)」「韓国(15.1%)」「台湾(12.6%)」「香港(14.5%)」のように、ほぼ平均程度。旅行者数が多いからといって、民泊の利用率が単純に増えるというわけではないようです。
  
年代別にみると、20代以下が61.3%、30~40代が32.8%、50代以上が6.0%と、利用者の中心は若年層。旅のスケジュールを自由に組める個人旅行者が88.3%を占め、平均滞在泊数は7.6泊。約半数は1週間以上、約1割は2週間以上も日本に滞在しています。
  
日本への交通手段としてLCC(ローコストキャリア)を利用する割合が高く、一見、旅行費用を節約しているようにみえますが、実際に低く抑えているのは宿泊費のみ。飲食費や買い物代、交通費についてはほぼ同程度です。

積極的に日本の街を楽しむ民泊利用者

  • column20171130_02
  • 「有償での住宅宿泊」を利用した訪日外国人旅行者が旅行中にしたことをたずねてみると、非利用者に比べて「繁華街の街歩き」「テーマパーク」「日本の歴史・伝統文化体験」「日本の日常生活体験」「日本のポップカルチャー」などを楽しんでいるようです。

このような結果をみると、「有償での住宅宿泊」の利用は、単純に旅行予算の節約だけを目的にしているわけでなく、積極的に日本での生活体験に飛び込んでいる結果なのでしょう。滞在日数が長く、同じ街に連泊することの多い民泊利用の旅行者は、宿泊費を抑えつつ、日本での食事やアクティビティを楽しんでいます。
  
また、「有償での住宅宿泊」の利用者は、必ずしも民泊だけを使っているわけではなく、ホテルや旅館など既存の宿泊施設と組み合わせて利用することも多いようです。情報発信力があり、日本の街の中へ積極的にダイブする民泊の利用者は、新たな訪日外国人旅行者を呼び込むキッカケにもなります。新しいインバウンド施策のヒントは、近隣の民泊事情にあるのかもしれません。

  • column20170430_06
  • 当社の提供している「MCCatalog+」は、日本語の観光ガイドやフリーペーパー、レストランメニューなどを、スマートフォンやタブレット端末で簡単に多言語(英語・中国語簡体字・中国語繁体字・韓国語・タイ語・ポルトガル語)で閲覧することができます。好奇心旺盛な訪日外国人旅行者に対して「MCCatalog+」を使って、ディープな日本の情報を提供してみてはいかがでしょう。

ニューストップへ

  • facebook
  • twitter