災害時、いかに緊急情報を伝えるか

コラム

2019/10/31

コラム

2019/10/31

災害時、いかに緊急情報を伝えるか

  • facebook
  • twitter

9月には台風15号、10月には台風19号と大型の台風が立て続けに襲来し、各地で甚大な被害をもたらしました。特に勢力が強かった台風19号によって決壊した堤防の数は、国土交通省によると全国71の河川にのぼるとのことです。迅速な復旧が望まれるとともに、今回、浮き彫りとなった課題への対処も必要です。

アクセスが集中しても耐えられるサイトへ

過去最強クラスといわれる台風19号によって、東北を流れる阿武隈川や、信越地方を流れる千曲川など、多くの河川が決壊しました。その一方、都内にも大きな河川がいくつも流れていますが、決壊した箇所はありませんでした。そのことに大きく貢献したのが、“地下神殿”と呼ばれる「首都圏外郭放水路」です。埼玉県にあるこの放水路は地底50メートルにもおよぶ巨大な空間で、膨大な量の水を貯めることができます。台風19号の豪雨時、この放水路がフル稼働したことで、都内は河川の決壊から免れました。
  
これまでの措置が効果を発揮したのに対し、まだまだ対策が必要なこともあります。各自治体は台風19号の接近に備え、公式サイトで随時情報を発信していました。ところがあまりにもアクセスが集中したため、一部の自治体のサイトは閲覧できなくなってしまったようです。ツイッターやフェイスブックなど、SNSで対応したとのことですが、公式サイトの堅牢性は重要といえるでしょう。

注目を集める自動起動ラジオ

ウェブサイト以外にも、コミュニティ放送という情報発信手段があります。コミュニティ放送は、地域の活性化に寄与することなどを目的に1992年に制度化。地域に密着した放送局として、旬の話題のほか、行政、観光、交通といった情報を届けています。日本コミュニティ放送協会によると、全国47都道府県に330の放送局があるとのことです(2019年10月現在)。
  
災害時、コミュニティ放送は地元の病院の空き室数や給水箇所など、地元ならではの避難情報や災害情報を提供することが可能です。2011年の東日本大震災においても、停電によってテレビなどが使用できず、ラジオの果たす役割が再評価されました。

  • また2016年4月の熊本地震においては、コミュニティ放送事業者が熊本市と連携し、刻一刻と変化する災害情報や避難情報を提供したことが、高く評価されています。総務省は2016年11月、コミュニティ放送事業者303者に調査を実施。回答のあった282者中、実に269者が自治体との災害協定を締結していました。さらにそのうちの90者は、自動起動ラジオを導入。自動起動ラジオとは、待機状態にある受信機を自動で起動させるラジオのことで、緊急情報を伝達するシステムとして注目されています。

調査の翌月、総務省は「情報難民ゼロプロジェクト」を発足。既存の災害情報伝達システムを補完するものとして、自動起動ラジオを普及させる目標を掲げました。2020年までには、コミュニティ放送事業者と自治体との連携を一層促進させるべく、事例集を作成し、周知、展開する、というアクションプランが示されています。

プッシュ機能のあるアプリも有効

ウェブサイトやSNS、コミュニティ放送以外にも、情報を伝達する手段はあります。とりわけ有効なのが、プッシュ機能を備えたアプリです。プッシュ機能があれば自ら情報を取りにいかなくても、避難指示や災害状況をタイムリーに受け取ることができます。
  
また台風19号の襲来時は、折しもラグビーワールドカップの開催中で、多くの外国人観光客が滞在していました。在住者はもちろん観光客など、外国の方たちへの情報提供も忘れずにおこなう必要があるでしょう。

  • colmun_btm
  • 当社の提供している「MCCatalog+」は、広報誌や観光案内、フリーペーパーなどを簡単にデジタル化・多言語化して、スマートフォンやタブレットに配信することが可能です。災害時など、緊急時にもタイムリーに情報を届けることができます。

ニューストップへ

  • facebook
  • twitter