コト消費をきっかけに地方を訪れる訪日外国人旅行者

コラム

2017/12/28

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2017/12/28

コト消費をきっかけに地方を訪れる訪日外国人旅行者

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JNTO日本政府観光局のデータによれば、2017年の訪日外国人旅行者数は、1月からの累計で2,616万9千人となり、2016年の年計2,404万人を超えました。東京、京都、大阪など都市部と地方にどの程度が宿泊したかをみると、地方宿泊者の割合はおよそ5割。しかし、近年、日本を訪れる外国人旅行者数は年々急激に増えていますから、地方に足を延ばす訪日外国人旅行者も増え続けていることがわかります。
  
訪日外国人旅行者は、「爆買い」に象徴されるように、モノ消費が注目されがちですが、自然景観の鑑賞や歴史建造物への訪問、アクティビティ体験などの「コト消費」も、訪日外国人旅行者の旅の楽しみ方として定着しています。日本を訪れるのが初めて、もしくはまだ数回という場合は、東京、京都、大阪を巡るゴールデンルートがほとんどですが、リピート回数が増えてくるとゴールデンルート以外の地域へも足を運んでいます。

国ごとに異なるコト消費の好み

日本での楽しみ方を知り尽くした彼らは、地方旅行でどのようなアクティビティを楽しんでいるのでしょうか。訪日外国人旅行者に人気な現地体験をみてみると、国別でもその傾向がわかれるようです。
  
たとえば、中国人旅行者には、自然景観の鑑賞や旅館宿泊・温泉入浴が人気。訪れる場所も、満開の桜や色鮮やかな紅葉、静寂な雪景色など、美しい景色が見られる山々や田舎の田園風景が多いようです。
  
タイやインドネシアからの旅行者が好むのは、自然景観の鑑賞や地方の特産物を食べること。東南アジアに位置するタイやインドネシアにとっては、四季ごとに移り変わる日本の自然自体が興味深いものです。特にSNS映えする雪景色が魅力的なこともあり、北海道は人気のエリア。雪上トレッキングやカニなど冬の海産物を目当てに訪れる旅行者も多いようです。
  
アメリカからの旅行者が好むのは、食事に関連する体験や史跡・博物館の訪問です。日本食が定着していることもあり、ラーメンや寿司など日本での食事を楽しみにしている人が多いようです。また、日本の文化や歴史について学びたいと考えている人も多く、寺社仏閣、城、戦争に関する史跡等への訪問を目的に地方を訪れています。
  
フランスからの旅行者が好むのは、特産物を食べることや美術館・博物館への訪問。彼らにとって訪問国の食文化に触れることは、旅の大きな楽しみです。その国の文化や生活を理解しようという傾向もあり、地元の人との交流が発生するようなアクティビティが好まれます。芸術文化への関心も強く、伝統工芸や日本美術に関する美術館への訪問も多いようです。

コト消費が地方にもたらす波及効果

  • 訪日外国人旅行者によるコト消費は、体験ツアーやスポーツアクティビティなどの実施によって直接的な消費が生まれるだけでなく、コト消費自体がその土地を訪れる目的にもなります。コト消費の多くは日帰りで体験することが難しいものばかり。おのずと滞在は長期化し、宿泊費や飲食費も増えます。滞在中の町歩きの波及効果も見逃せません。

また、旅行先で実際に体験した内容に関わるモノに興味を持ち購入したり、体験の中で地元の人と交流した際に推薦されてモノを購入したりするなど、コト消費にはモノ消費を促す効果があります。
  
リピーターが増えるにつれ、注目を集める地方でのコト消費。その魅力を十分に伝えるためには、旅行者にあわせた多言語での情報発信が今まで以上に重要になります。

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