訪日外国人旅行者に聞いた「旅行中に困ったこと」

コラム

2017/02/13

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2017/02/13

訪日外国人旅行者に聞いた「旅行中に困ったこと」

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訪日外国人旅行者数が2,400万人を突破した2016年。2017年も海外からの旅行者が増え続けることが予想されますが、あわせて解決すべき課題もたくさんあります。観光庁が行った「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」結果から、今後の課題について探ってみましょう。

1番の不満は「言葉の壁」

旅行中に困ったことを聞いてみると「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」が32.9%で最も多く、続いて「無料公衆無線LAN環境」が28.7%、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ(観光案内版・地図等)」が23.6%、「公共交通の利用」が18.4%、「両替」が16.8%と続きます。

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「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」ことを挙げた旅行者は、2015年の同様の調査でも35.7%と最も多く、言葉の壁の問題はインバウンド施策を考えるうえで引き続き重要なポイントのようです。
  
施設等のスタッフとのコミュニケーションで困った場面が多かったのは、都市部(東京・名古屋・京都・大阪)では「飲食店・小売店」(23.1%)と「鉄道駅・ターミナル」(12.2%)。都市部以外でも、「飲食店・小売店」(18.2%)と「鉄道駅・ターミナル」(7.6%)という結果です。
  
飲食店・小売店では、メニューの注文や商品についての質問、お会計など。鉄道駅・ターミナルでは、行き先を確認したりキップを買ったりと、訪日外国人旅行者ひとりひとりに個別の対応が必要となりますから大変です。しかも、現在の訪日外国人旅行者の大半を占めるのは東アジアからの旅行者。英語以外にも、中国語や韓国語での対応が求められます。

まだまだ不十分な「多言語表示」

観光案内板や地図、メニューなど「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」も、旅行中の不満としてあげる訪日外国人旅行者が多い項目です。特に困ったシーンも、コミュニケーションの場合と同じように、「飲食・小売店」と「鉄道駅・ターミナル」でした。
  
「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」をあげる割合は、2015年の調査では12.2%でしたが、2016年には23.6%と増えています。訪日外国人旅行者の増加にあわせて多言語表示される場所も増えているはずなのですが、訪日外国人旅行者が都市部だけでなく地方にも訪れるようになり、旅行者増加のスピードに追いついていないのかもしれません。

利用手続きが煩雑な「インターネット接続」

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  • 今やスマートフォンは旅の必需品。訪日外国人旅行者はインターネットを使って旅先の情報を集めながら、また同時にSNSに旅の思い出を投稿し過ごしますから、インターネット環境は旅の満足度に大きく影響する要素です。

旅行中に困ったこととして「無料公衆無線LAN」をあげる割合は、2015年の調査では46.6%でしたが、2016年には28.7%に減少。まだまだ改善の余地は大きいですが環境整備は順調に進んでいるようです。旅行中の通信手段の利用実態をみてみると、最も利用されているのは「無料公衆無線LAN」(53.8%)、「モバイルWi-Fiルーター」(33.8%)、「国際ローミング」(26.2%)と続きます。
  
改善の兆しが見られる無料公衆無線LAN環境ですが、「鉄道駅構内」や「鉄道車内」で利用したかったが利用できなかったという意見が多いようです。鉄道は、無料公衆無線LANの整備が比較的進んでいる場所と思われがちですが、登録や認証など利用の手続きがわかりづらく、それが不満の原因となっています。やはりここでも「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」を改善することが、訪日外国人旅行者の旅の満足度をあげることにつながるようです。
  
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