多様化した2017年の訪日外国人旅行者を振り返る

コラム

2018/01/10

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2018/01/10

多様化した2017年の訪日外国人旅行者を振り返る

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JNTO日本政府観光局の発表によれば、2017年1~11月期の訪日外国人旅行者数は、前年同期と比べて19%の増加の2,616万人を記録しました。すでに前年2016年の年間旅行者数2,404万人を突破し、2017年は年間で2,800万人を超えることが予想されます。

拮抗する中国と韓国からの旅行者数

これまで訪日外国人旅行者といえば中国からの旅行者が目立っていましたが、2017年は韓国が大躍進。2017年1~11月期で比較すると、中国の679万人に対して韓国は646万人と、とても接戦している状態です。
  
韓国人旅行者の特徴といえば、日本を訪れるのが初めてという旅行者がおよそ3割強、残りは訪日回数2回以上のリピーター客です。全体的に滞在日数が短い傾向にあり、滞在日数3日以内の旅行者は約3割。欧米からの旅行者よりもアジア圏の旅行者のほうが、滞在期間が短い傾向にありますが、そのなかでも韓国人旅行者の滞在日数の短さは特に際立っています。地理的なアクセスの良さを利用して、短い休みを使って定期的に日本を訪れる。そんな旅のスタイルが韓国のなかで流行っていると考えられます。
  
一方で中国。韓国と比べれば昨年からの伸び率はなだらかですが、それでも中国からの旅行者も着実に増えています。一時期の「爆買い」の勢いはなくなりましたが、1人当たり旅行支出が20万円を超え、その半分以上を買い物代に充てる中国人旅行者は、引き続き注目すべき存在です。
  
韓国からの旅行者がこのまま安定して増え続け、中国一強の時代が変わるのかが2018年のインバウンド市場のポイント。中韓両国の訪日旅行市場に占めるシェアがより高まることが予想されますが、旅行市場は国際状勢の影響を受けやすいので、その動きを注意深く見ていく必要があります。

長期滞在で日本を楽しむ欧米からの旅行者

  • 2017年は、韓国や中国以外にも東南アジアからの旅行者が増えた年でした。東南アジアからの旅行者にとって日本はやや遠い観光地にあたりますが、自国にはない美しい自然や四季の移ろいが魅力に映るようです。

東南アジア6ヵ国(タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシア、ベトナム)からの旅行者数は、2017年1~11月期であわせて252万人。同時期の香港から旅行者数が202万人、アメリカからの旅行者数が125万人ですから、訪日外国人旅行者のなかで見逃せないボリュームを占めています。2018年は、東アジアに次ぐインバウンド市場として東南アジア諸国の動向から目が離せません。
  
東アジアや東南アジアの国々に比べると、欧米からの旅行者の増加は極めてなだらかです。ですが、欧米圏の旅行者は滞在日数が長く、日本全国を巡り、日本の自然や文化を積極的に楽しむのが特徴です。彼らの滞在型の旅のスタイルは、これから増える訪日リピーター客のもてなし方のヒントとなるでしょう。

多様化する外国人旅行者にあわせた多言語対応を

これまで「インバウンドといえば中国人旅行者」という印象でしたが、このように2017年のインバウンド市場は、東アジア、東南アジア、欧米と、様々な国から日本を訪れる観光客が増え、多様性に富んだ年でした。
  
このような状況のなか、一概に外国語の対応といっても、英語を含む複数言語での対応が求められます。語学ができる専任スタッフを増やすといっても、すべての言語にすぐに対応するのも難しいもの。実際に訪れる外国人旅行者の特性にあわせて、段階的な多言語対応を進めていきましょう。

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