地方を訪れる訪日外国人旅行者に影響をあたえるものとは

コラム

2018/03/05

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2018/03/05

地方を訪れる訪日外国人旅行者に影響をあたえるものとは

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観光庁が2018年2月に発表した「宿泊旅行統計調査(平成29年・年間値)」によれば、2017年年間の延べ宿泊者数は、4億9,819万人泊で、うち外国人延べ宿泊者数は、前年比12.4%増の7,800万人泊。延べ宿泊者全体に占める外国人宿泊者の割合は15.7%となりました。2017年年間の訪日外国人旅行者数が2,869万人と過去最高だったのと同じく、外国人延べ宿泊者数も過去最高の記録です。
  
外国人延べ宿泊者数は、これまでに2014年4,482万人泊、2015年6,637万人泊、2016年7,088万人泊と右肩上がりに推移してきましたが、今後も増加していくと考えられます。

訪日外国人旅行者の4割が地方に泊まる

都道府県別の宿泊者数は、東京都がトップで1,903万人、2位の大阪府が1,171万人、3位の北海道が743万人、4位の京都府が559万人、5位が沖縄県の460万人と続き、この上位5都道府県は昨年と同じです。こうしてみると、以前としてゴールデンルートの主要観光地である東京・大阪・京都と、自然豊かな観光地である北海道と沖縄の人気が高いことがわかります。
  
一方で、前年からの伸び率で比較してみると、地方部の伸び率が顕著です。最も伸び率が高かったのは青森県で60.3%。次いで大分県の59.3%、佐賀県の51.9%、熊本51.7%と続きます。
  
青森県が躍進したのは、それまであった青森~ソウル線の増便に加え、新たに中国との定期便となる青森~天津線が新規就航したことが大きな要因でした。また、大型クルーズ客船の青森港への誘致にも力を入れています。北海道新幹線開業をきっかけに、新幹線と空路、海路をつなぎ、函館観光をセットにした「津軽海峡圏」を中国や台湾、韓国などに売り込んできた成果だと考えられます。大分や佐賀、熊本の伸び率が高いのは、2017年に急激に増えた韓国からの旅行者の影響と考えられます。
  
三大都市圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県)と、それ以外の地域を比較すると、三大都市圏の4,612万人泊に対して、地方部は3,188 万人泊。地方部のシェアが調査開始以降、初めて4割を上回りました。日本を訪れる外国人旅行者は三大都市圏を中心としたゴールデンルートだけに留まらず、日本各地を訪れるようになってきていることがこのデータから読み取れます。

アクセス方法と宿泊施設の影響力

  • 都道府県別の外国人延べ宿泊者数構成比をみてみると、外国人旅行者の出身国に特徴があることがわかります。先ほどご紹介した青森県は、台湾からの宿泊者の割合が33%、中国が26%。岩手県は、台湾からの宿泊者の割合が60%。静岡県は中国からの宿泊者の割合が64%。大分県は韓国からの宿泊者の割合が62%。徳島県は香港からの宿泊者の割合が35%。

ひとことで訪日外国人旅行者といっても、都道府県ごとに実際に訪れる旅行者の出身国には偏りがあります。入出国に利用する空港や港によって大まかな観光ルートは決まりますし、特に地方部の場合は、定期路線やチャーター便の有無がインバウンドに与える影響はとても大きいものです。また、新しい宿泊施設、特に外国人旅行者向けに特化したゲストハウスは、その地域のインバウンド情報が集まる拠点となります。
  
このような地域へのアクセス方法や宿泊施設のようなインフラは、常に変化していくもの。インバウンド施策を考える時、あなたの身近に訪れる外国人旅行者のみなさんが、どのように訪れて、どのように日本で過ごすのか、日頃から情報を集めておくことが重要です。

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