【専門家コラム Vol.24】秋田犬で訪日客を魅了、「秋田犬ツーリズム」のインバウンド施策

コラム

2018/03/23

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2018/03/23

【専門家コラム Vol.24】秋田犬で訪日客を魅了、「秋田犬ツーリズム」のインバウンド施策

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執筆:やまとごころ編集部

アイドルに扮した秋田犬あきたいぬが歌って踊るPR動画が国内外で話題となり、一躍脚光を浴びた一般社団法人「秋田犬ツーリズム」。同法人の観光PRプロジェクトは国際的な賞に輝き、日本版DMO候補法人としても登録されるなど、観光地域づくりを先導する存在として躍進を遂げている。その成功の秘訣を探るべく、設立までの経緯やこれまでに取り組んできた施策を探る。

「住む人口が減っても、来る人口を増やそう」という発想

秋田県の総人口は現在991,162人。2040年には70万人を割り込むことが予想されており、人口減少が避けられない状況にある。そんな中、「住む人口が減っても、来る人口を増やそう」と秋田県北部の大館市、北秋田市、小坂町の3市町が立ち上がり、観光誘客による地域消費の拡大を目指し、2015年に一般社団法人「秋田犬ツーリズム」を設立した。現在は上小阿仁村も加わり、各地域の強みを生かした広域的なプロモーションを行なっている。

「秋田犬」をフックにしたPR動画がヒットし、国際的な賞を受賞

観光地ではないこのエリアに観光客を呼び込むには「認知度の向上」が不可欠だ。そこで、海外でも認知度が高い「秋田犬」をフックに、まずはこのエリアを「知ってもらう」ために動画を制作しようと発案する。
  
その時に留意した点は「埋没しないこと」。全国の自治体では同じようなPR動画が数多く作られており、その中でも尖った動画を作ろうと制作会社に相談した結果、顔が秋田犬で、体が人間のアイドルが歌って踊り、エリアの観光施設を紹介するミュージックビデオが生まれた。動画は瞬く間に世界中の人々を魅了し、「PRアワード・アジア2017」の2部門で金賞及び銅賞を受賞するという快挙を成し遂げた。
  
動画へのリンク:https://www.youtube.com/watch?v=pyobqOPGPCI

外国人宿泊者数は2年で2.2倍増!

秋田犬ツーリズムは、「積極的なデジタルマーケティング」と「受け入れ態勢の充実」を柱に戦略を進めてきた。PR動画を始めとした様々な施策が成果をもたらし、2015年に4,233人だった外国人宿泊者数は、2016年は8,239人、2017年は9,342人と右肩上がりに増加している。
  
また、秋田内陸縦貫鉄道の外国人団体客も2016年に初めて1万人を突破。2017年の最終的な数字を待っている段階だが、団体客のみで1万6,000人になると見込まれている。国の重要文化財である康楽館(芝居小屋)の入館者数も、2016年の1,400人から2017年は5,400人と大幅に増加した。また、昨年8月に開設した秋田犬とのふれあい施設にも500名以上の外国人が訪れているという。

世界からの訪日客を視野に入れた第2ステージへ

秋田犬ツーリズムは設立当初から、リピーター率の高い「台湾」を主要ターゲットとしてきた。台北からは函館空港と仙台空港に定期便が就航しているため、その間に位置するこのエリアを通る周遊ルートが描きやすいことも理由だ。しかし、今後はより「秋田犬」にこだわり、ターゲットを広げて世界中の秋田犬ファンに向けた新たな商品づくりと態勢づくりに着手していくという。
  
ひとつの地域では成し遂げられなかったことを地域連携によって実現させ、話題性のみならず、実際の数字へと結びついた施策には学ぶべきところが多い。世界的な認知度を誇る「秋田犬」というコンテンツを突破口に、ターゲット拡大を図る秋田犬ツーリズムには、今後より一層の飛躍が期待される。
  
取材協力:一般社団法人秋田犬ツーリズム

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  • やまとごころ編集部

    株式会社やまとごころ メディア・コンテンツ事業部
    2007年より、インバウンドB to B 支援のための日本最大級のポータルサイト「やまとごころ.jp」を運営。「日本のインバウンドを熱くする」をモットーに、長年にわたりインバウンド業界に携わり続けた圧倒的な情報量と知見を活かし、インバウンド関連の最新情報を、日本全国のインバウンドに携わる企業・自治体の皆様に向けて発信し続けている。
      
    インバウンドポータルサイト「やまとごころ.jp」
    http://www.yamatogokoro.jp/

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