今後の社会活動に欠かせないSDGsへの意識

コラム

2020/01/31

コラム

2020/01/31

今後の社会活動に欠かせないSDGsへの意識

  • facebook
  • twitter

SDGs(持続可能な開発目標)」という言葉を、最近よく耳にするようになりました。これは17の大目標と169の具体目標からなる、国際社会共通の目標です。企業や自治体ではSDGsを意識した取り組みが次々におこなわれていて、今後、社会活動をしていく上では欠かせない指針となりそうです。

環境との調和に配慮したトヨタの実証実験

トヨタ自動車は1月、静岡県裾野市で「コネクティッド・シティ」を建設すると発表しました。これはあらゆるモノやサービスをネットでつなぐ実証実験で、新たなビジネスモデルを創出する狙いがあります。この実証実験では、2020年末に閉鎖予定の東富士工場の跡地を利用し、トヨタの従業員やプロジェクト関係者をはじめ、2000名程度が暮らすことを想定しているようです。
  
街の建物は炭素が循環する「カーボンニュートラル」な木材で作り、屋根には太陽光発電パネルを設置するなど、環境との調和やサスティナビリティを追求しているのが特徴の1つです。
さらに、街を通る道を3つに分類し、それらの道が網の目のように張り巡らされた街づくりを目指します。1つはスピードが速い車両専用で、完全自動運転かつ廃棄物を出さない「ゼロエミッション」の自動車のみが走行する道路。もう1つは、歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存する道路。3つ目が歩行者専用の道路です。
  
トヨタはSDGsを強く意識してプレス発表をしているわけではありませんが、SDGsのうち
⑦エネルギーをみんなに そしてクリーンに
⑨産業と技術革新の基盤をつくろう
⑪住み続けられるまちづくりを
⑫つくる責任 つかう責任
という4つの項目が当てはまりそうです。

交通手段の課題を克服するニセコ町

自治体でも、SDGsを考慮した「自治体SDGs」がスタートしていて、「環境」「経済」「社会」において好循環を生むものと期待されています。例えば北海道のニセコ町は環境を活かし、資源、経済が循環する「サスティナブルタウンニセコ」を掲げました。

  • サスティナブルタウンニセコの構想の1つに、「ローカルスマート交通構築事業」があります。ニセコ町には年間約170万人(2015年度)の観光客が訪れていて、しかも長期滞在者が多いのですが、宿泊先と観光地とをつなぐ交通手段が乏しいという課題がありました。その結果、多くの観光客が交通難民化する事態がおこなっているといいます。

それを解決するために掲げたのがローカルスマート交通構築事業です。これは、ボランティアドライバーが自家用車を使い、観光客や市民を目的地まで送り届けるというもの。完全に無料なのではなく、燃料費などの費用を利用者が負担することで、ボランティアドライバーの安定的な参画を促していきます。またこの取り組みによって、現在運行中のデマンドバスの在り方も見直し、財源支出の低減も図っていくということです。

ボランティアの募集状況は広報誌などに公開

ニセコ町はローカルスマート交通構築事業において、SDGsの「⑪住み続けられるまちづくりを」を目指していると発表しています。さらに、同町はボランティアドライバーの目標人数を示し、その達成状況をホームページや広報誌に掲載するとしています。ボランティアドライバーを獲得するためには情報の周知が不可欠となるため、重要な施策といえそうです。また一方的に募集するだけではなく、その進捗状況をしっかり伝えることで、町民の協力を得やすくなるでしょう。
  
一般消費者は今後、SDGsを意識した購買活動をすることが予想されます。企業や自治体はその事業が「持続可能な社会」に資するものかどうか、しっかり吟味しながら進める必要がありそうです。

  • colmun_btm
  • 当社の提供している「MCCatalog+」は、広報誌や観光案内、フリーペーパーなどを簡単にデジタル化・多言語化して、スマートフォンやタブレットに配信することが可能です。地域や自治体に関する情報を効果的に発信することができます。

ニューストップへ

  • facebook
  • twitter